久しぶりに五木

ぱっとしないまま、もう6月か。 トルーマン・カポーティの『冷血』はやはり傑作だと思う。 長いのに過不足を感じさせず、テンポとリズムがあり、文体がしまっている。 電車の行き帰りやランチタイムにコーヒーを飲みながら読んでいると、そこはかとない喜び…

京都ラーメン

思い立ち、京都へ。 広島の中学と札幌の高校でどちらも京都に修学旅行に行って以来だ。 ふと立ち寄ったラーメン店は、錦市場近くの五行。 町屋を改造した作りで、夜はバー。蔵もバーにしてあってその名も、HANARE。 ランチで焦がし醤油ラーメンを食す。 黒々…

そろそろ川上弘美にも飽きてきたり

代わり映えしない読書生活。 藤沢周平『風の果て』→川上弘美『蛇を踏む』→藤沢『用心棒日月抄』→川上『神様』→トルーマン・カポーティ『冷血』。その間に何かあったかもしれないが、忘れた。 川上弘美は、ほっこり系恋愛ものはともかく不条理系ファンタジー…

きょうから夏

仕事上で心持ちが荒んでしまい、気がつくと新宿の雑踏を漂流していた。 漂流ついでに紀伊国屋新宿南口店に漂着。 ああやっぱり本屋がいちばん癒されると自分を慰めたくなったのもつかの間、じつは本屋がいちばんストレスだったのだ。 あの人の本、この人の本…

出版社占い

やれやれ。 ついやってしまった出版社占いで講談社が当った(写真は野間社長)。 どこの馬の骨ともしれない素人がネット上に作ったシロモノで、同じ生年月日の人は同じ結果が出るしくみだが、どうも誰もが知っている会社しかないらしくシラける。 コメントも日…

ただ喰いたいためだけに喰うのではなく

すすめる人がいて納豆カレーを食す。 レトルトカレー+納豆。お世辞にも美しいとはいえない。 そこで月見にしてみたが、いかんともしがたさは変わらず。 小学校時代は学年イチの偏食王だった僕であるからして、誰かがすすめるからといって何でも食べたりしな…

GW

二子玉川を散歩。 多摩川の川崎側はバーベキュー場となっていて、数十グループの数百人が思い思いに焼いたり食ったりしている。 川をはさんだ東京側は禁止なのか、バーベキューはやっていない。 何でもかんでも禁止というのであれば、東京らしくてなるほど。…

WB

見かけないと思ったら、 早稲田文学会の「早稲田文学」ってとうとう「WB」というフリーペーパーになっちゃってたんだね。 「わ」からん「ブ」ンガク、「W」onderful「B」ungakuのイニシャルとか。 ワーナーブラザーズにあらず。 もはや早稲田の構内をはじめ…

「夜よ、こんにちは」観た

夜ならば「こんばんは」だろうという、何万人が言ったかわからないひとりごとを言いながらユーロスペースへ。 旧ユーロスペースを意外な大企業が買ったので、僕は新ユーロスペースは手狭なところにヴァ−ジョンダウンしたのかと思っていたが、いえいえどうし…

三寒四温

近況報告に天気と仕事のことばかり書くようになったら終りだが、別に近況報告だからいい。 近しい人には面と向かってもう少し有機的なことを言っている。 しかし近しくない人は遠隔地にいて天気も川崎北部とは違うだろうし、僕の仕事のことも詳しくはわから…

TAROよ

かつては川崎というところは労働者的息吹と知的なエネルギーが、意外にもあった。 その頃に計画された市の施設に、市民ミュージアムとか岡本太郎美術館がある。 この地に住んで2年めで初めて岡本太郎美術館に詣でる。 自転車で行ったので丘がツラかった。 い…

「リバティーン」観た

これほど女性性器の俗称を連呼するメジャー作も最近珍しい。字幕でもちゃんと日本語に訳されていましたよ。 したがっていつまで待ってもテレビで見ることはできない。 映画自体はさほどの出来ではないように思うが、アル中と梅毒で自滅していく放蕩詩人の貴…

椰子・椰子

川上弘美ったら、もう。 表記の妙ちくりんな小説を読んで、天才ではないかと思う。 ただ単に僕のツボにハマっただけかもしれないが、ハズせばZ級に堕してしまう微妙なところをA級に保っているのはさすがだと思う。 天然っぽく思われたいがためにそう振る舞っ…

『旅する少女の憩』届く

乙女ブームだそうで。 絶版となってるヌマゲンの表記の書、届く。 巻末の「旅する少女のためのディクショナリィ」でミュウミュウの靴について、シンデレラに履いてほしいものと紹介したあとで、そして踏まれてみたいものと述懐しているところなどは、なかな…

寒く、暖かい日々

2月のほうがよほどあたたかかったよ。 唯一の花見も結局行かず。 出無精になったんだね。 いっちょうパーッといきましょう、パーッと。 そうだね。夏あたりに。

本の仕立て屋さん展

銀座のポーラミュージアムアネックスで表記の催しのオープニングがあり、タダ酒。 http://www.pola-ma.jp/schedule/pop0604_01.html 人のいい仕事を見るのは刺激になっていい。 限られた状況の範囲でプアな仕事をしていては鈍するのではないかと危機感をもっ…

嘘つき

巷のブログでは寄るとさわると思わせぶりなタイトルとエイプリルフールでしたというオチで、脱力した方も多かろう。 いっそすべてが冗談だったと言ってほしいような日々を、僕はそれでも真面目に過ごしている。 それもまた人生のひととき。 トロツキー著『レ…

「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」観た

派手な映画館で地味な映画を観た。 「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」。 主演と監督はトミー・リー・ジョーンズ。 脚本は「アモーレス・ペロス」「21グラム」のギジェルモ・アリアガ。 トミー・リー・ジョーンズは傷ついた男を演じさせるとうまい…

串田孫一野鳥随筆集

最近作った本(書いたのではなく編集した本)は、串田孫一さんの野鳥随筆集。 随筆家の老境が垣間見えて感慨深い。 奥様に取材で話を伺った。 「とにかくずーっと一緒でした。幸せでしたね、ふたりとも」と仰ったのが印象的だった。 写真は野鳥写真家の叶内…

桜早咲き

二月が暖かかったせいか、持ち前の異常気象か、桜が早咲き。 地元のテキ屋も準備のいとまもなく営業開始した感じ。 とはいうものの三ブ咲き。圧倒的多数は来週に宴を催すのだろう。 しかし、ひとつだけ前まえから決まっている花見がある。 それは四月九日。 …

ねこぢるも

ねこぢるの『ぢるぢる旅行記 インド編』(ぶんか社)をぱらぱらと読む。 ねこぢるワールドは好きなのだけれど、ちょっとフツーのアジア貧乏旅行の匂いがした。 フツーがイコール悪いことばかりではないが、ところどころ鼻持ちならない点までフツーの貧乏旅行な…

思索する旅行誌

「風の旅人」という雑誌を書店の店頭で見かけ、1200円という値段におののきつつも手に取ってみたとしよう。 そういえば、この手の旅行雑誌が今世紀に入って(いや、少し前からか)書店に並ぶようになった。 なぜだ。 ほかに思いうかぶだけでも、「旅學」(ネ…

日玖戦

WBC。 それほど興味ないが、日本が決勝までコマを進めるなんて本当に運がいい。 韓国に1勝2敗なのに、米国よりも強いといっていいのだろうか。 トーナメントのマジックである。 2回終って4対1とリードされている。僕はキューバの勝利を確信している。 キュー…

ひたぶるにうらがなし

春の嵐には心踊らされる。 いっそすべてなぎ倒してくれればいいのに、と思っていたのに。 嵐一過、おだやかな午前中である。 嗚呼、粛々と日々を過ごすしかないのか。 だが日々は、日増しにひたぶるにうらがなしい。すこぶるうらがなしい。 『古道具 中野商…

ジャック・ワイルド死す

そういえばジャック・ワイルドも死んだんだった。 日本では「小さな恋のメロディ」ぐらいしか出演作が紹介されてないけど、これって日本でだけヒットしたらしい。 主演のふたりを食う存在感ではあった。 僕が子供の頃に作られた映画で、日本で大ヒットして、…

頭痛転じて偏頭痛

いや、まいりましたよ。 世の中のことで知らないことは数あれど、こんな初歩的なことを知らなかったとは。 長らく生きてきて、偏頭痛というものの正体をはじめて知った。 僕が長らく頭痛だと思ってきたものがそれだ。 つまり僕は生まれてこの方、頭痛という…

トラベルライターになる方法高騰

Amazonで拙著『トラベルライターになる方法』が一時1万2千円の高値をつけたのを発見。 どこの図書館にもある本にそんな値段をつけたって売れないだろうが、自著の古本の値段が高いというのは悪い気がしないものだね。在庫があるうちはそれなりに安値でも、品…

読書日記のようではあるが

僕が読んだ本のタイトルを羅列して何が面白いんだかと思うけど、つい羅列してしまう。 ごめん。 『族長の秋』を読み終わり、何となく達成感で意気揚々としてしまったよ。そしてまた始まる藤沢周平の季節。言ったでしょう。文学は当分、いいです。ぴしぴしく…

西牟田靖さんの出版記念の会にまた行く

『僕の見た「大日本帝国」』(情報センター出版局)から1年↓。その写真編の刊行を記念する会が新宿のカレー屋であった。 http://d.hatena.ne.jp/akrh/20050226 参加者は昨年と比べて倍増。テーブルではトラベルライターMLやmixiのトラベルライターコミュニティ…

「ミュンヘン」観た

満席だった。 僕の観る映画はいつもそれなりに空席が目立ち、なおかつ平均年齢が高いことが多いのだが、今回はそのどちらもいつもとは逆。ミュンヘン五輪のときすでに生まれていた人がどれくらいいるか…。 僕は時代考証なども含めてきちっと作られた映画を一…