ただ喰いたいためだけに喰うのではなく

すすめる人がいて納豆カレーを食す。
レトルトカレー+納豆。お世辞にも美しいとはいえない。
そこで月見にしてみたが、いかんともしがたさは変わらず。
小学校時代は学年イチの偏食王だった僕であるからして、誰かがすすめるからといって何でも食べたりしない。
とはいえ、納豆も美味しいしカレーも美味しい。
それを掛け合わせた幸せな味わいを空想して、我慢できずに試してみたのである。
食べている最中は双方が双方の良さを打ち消し合ったが、食べ終わってしばらく経つとほのかな郷愁に似た感覚すらおぼえている。
旅の処世訓に、「目の前のものは喰う」というのがあるが、「すすめられたものは試す」もなかなか。
醤油も美味しいしケーキも美味しい、それならとケーキに醤油をかけた女の子のことを思い出した。