イール氏の結婚

akrh2009-01-05

邦題「仕立て屋の恋」。
いや、いいと思います。
昨今の低迷する心境もあり、ちょっとクるものがあってハマります。
ストイックな変態モノに、かえって純愛を見いだすのか。
僕は、メインテーマになっているブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番4楽章」をiPodにダウンロードしていつでもどこでも聞いてしまうほど。
今年はこの調子でいきましょう。

古いパソコン

akrh2008-10-03

編集稼業に就く前の、僕は割と早い段階でワープロを使い始めた。
1980年代の真ん中だから相当早いグループに入る。
そうすると、キーボード叩いて20年以上ではないか。まあなんと。
今からすると「何でこんなものが」というワープロ専用機が10万円以上したりしていた。
90年頃に自分のデスクに私物のワープロを置いている編集者なんて、そうはいなかった。同僚からは「すごーい。編集者みたーい」と言われた。
転職活動で作文をワープロで書いて送ると、面接ではなかなか感触がよかった。
Macは92年頃からのユーザーなのだが、そこから僕のMac貧乏が始まる。
いや、Mac貧乏というよりはMacの貧乏ユーザーという方が正確か。
そして今や、99年に長い長い旅から帰って買ったMacが、どうしようもなくなりかけている。
またMacで貧乏になる、いやMacの貧乏ユーザーがさらに貧乏になるだけか。
Macでは税金の電子申告もできないし、入れられないソフトや機能も多い。対応していないサイトもあって、ストレスは多大だ。
不便とわかっていながら使い続ける、不味いとわかっていながら食う、弱いのに応援する・・・・・・。性格だから仕方がない。
どうしよう。どうでしょう。
さて、
世界中でマティーニを飲むあたしだが、カンボジアでは飲まなかった。まだまだだな。
世界中でカツ丼を喰うあたしだが、カンボジアでも、2回喰いました。
『ロンググッドバイ』で主人公がマティーニを作って飲むシーンがあったように記憶している。冷凍庫のない時代のそのマティーニを想像しては、飲みたいような飲みたくないような、微妙な心持ちに揺れている。
マティーニ。氷なしで」とはさすがに言えないけど。

飛行機に乗りたくなったので

akrh2008-10-01

カンボジアにトビました。
飛行機はダメですが、僕が乗っても乗らなくても飛ぶので。
自家用機は本当にダメです。僕も絶対に買いません。自家用車も買いません。
でも僕が乗らず、あなたも乗らなければ、いずれは路線そのものが消滅し、環境負荷も軽減されるのかもしれません。
ああそうですか。
鑑真号で上海に入り、香港を経て、河口からベトナムのドンダン-ハノイ-ホーチミン-プノンペンと陸路で流れたのはもう十数年も前になるのだろうか。
当時は陸路でタイへ抜けるルートはまだ内戦で閉鎖中だったので、カンボジア航空でバンコクへ抜けたのだったか。
あのときは自転車だけでアジアからオセアニアへ抜けるという人(インドネシアの島とオーストラリアの島が干潮時に一瞬陸続きになる、そこを自転車で通ると真顔で話していた)や、クメール・ルージュの支配区を徒歩で縦断してきたと称するアヤしい人と話をしたなあ。
フリーターあがりというか、フリーターくずれの若者がそれなりに旅に出られた時代なのである。
以前は親の家に住んでコンビニのバイトを1年ちんたらやれば、1年間遊んで暮らせた(旅に出られた)のだった。
今は、それは無理だ。アジア一円で日本の若者をあまり見かけない。パスポートの発給数も激減しているという。
他者との交わりが閉ざされ、その結果、偏狭さの増した引きこもりジャパンはどこへ行くのか。

BBCのお天気おじさんのキャラが立っている件

akrh2008-06-15

ええもちろん日本語翻訳放送で見ているんです。
衛星放送なので、世界中の天気を、1時間程度おきに脈絡なくやるのだが、中におもしろいおじさんがいる。
手の開き方と閉じ方が絶妙で、老練なマジシャンを彷佛とさせる。
天気予報の度(天気予報は翻訳なしなのだ)、ただただ微笑ましい。
いつまでたってもTVっ子のクセが抜けずに困っている。
そちらの方が深刻ではある。

「24」観終えて(ネタばれ有り。自己の責任において読まれたし)

akrh2008-06-07

恥ずかしながら、「24」にハマっていたことを告白しよう。
シーズン6まで各24話=144話。DVDで72枚。
長い日々だったが、あっという間だった。
オンラインで2枚ずつ借りては1枚ずつ観てゆく日々。
オンラインで借り出す手続きがうまくいかないと、1日損した気分になって地団駄を踏んだものだ。
ストーリーはどんどん後味が悪くなっていき、毎回観終えても無性にすっきりしない。
全米で大ヒットしながらも、ブッシュの支持率の低下とともにシリーズを追うごとにどんどん視聴率も下がっていったというのに、今頃になってものすごい勢いで観ている日本人がいるとは。
それが、あたしとは。
これが中毒か、と自覚した苦悶の日々。
ああ、そんな日々からも解放され、心身共に安寧が訪れているというのに、身体だけはあの頃を忘れられないでいるというのだ。
シーズン1から観なおすとでもいうのだろうか。すべて知ってしまったというのに、第1話から。
いやしかし、1時間以内に解決しないと大惨事が起こるという類いの毎回の脅しに踊らされて、けっこうどきどきされられましたよ。
突っ込みどころ満載なのに、そこを見ないようにしておけばTVというものはそれなりに楽しめるものだったのだ。
ただ、ところどころいくら贔屓目に見ても見すごせないシーンもある。
IDカード1枚を盗むのにテロリストは、相手を飛行機内で殺害し、その飛行機に爆弾を仕掛けて、自分は夜の砂漠にパラシュートで降下する。
世界中のどのコンピュータにでも瞬時に侵入して、どんな情報でもコピーしてIDカードどころか大統領の車列ですら勝手に誘導できるというIT戦がストーリーの一方の柱なので、ところどころで見られる手間ひまかけたトンマなワザには驚かされるのだ。
初オンエアは偶然にも9.11直後で、米国民は違法捜査やえぐい拷問、私的な処刑、「正義のための」陰謀など、主人公ジャック・バウアーの暴走に拍手を贈ったが、視聴者はアルグレイブがバレたあたりから手の平を返し始めた。
複数シナリオライターがよってたかって作っているために、ジャック・バウアーの人格もまったく一貫しない。シリーズ初期に暗躍する大統領夫人シェリーが徹底したビッチぶりなのと対照的なのだ。
シーズン7は来年後半のオンエアだという。
また観るだろう。そして後悔するだろう。
それまで社会復帰のリハビリにせいを出そう。
復帰すべき社会の方が歪んでいるという事実にはこの際、目をつぶろう。

乙女と少女の映画

akrh2008-04-30

ペルセポリス」と「ぜんぶフィデルのせい」観た。
2本とも良かった。
詳しいことは省くが、
1.イランの少女が思想弾圧の嵐が吹き荒れる母国からフランスへ送られて成長する物語。
2.チリのアジェンデに共鳴して政治にかぶれた父親を、娘はうんざりしながらも理解するようになるという、フランスのある家族の物語(結局フィデル、つまりカストロはちーとも出てこない)
日本においては、政治的なテーマはまだまだ敬遠される。
だから、後者もフランスの乙女映画というふれこみで宣伝される。劇場で売られているパンフレットなどは、フランス女子小学生のおしゃれなファッション&グッズ紹介まである念の入れようだ。
そういえば、
あたしはフランスへ行ったことがないことに思い至ったよ。
もちろんイランへもだけどね。

ナツメ先生

akrh2008-04-28

前回書き込んでからもう半年ですか。はあ、そうですか。
便りのないのは良い便り、とはこのインターネット時代には通用しないらしく、発信しない限り眠っていると思われても仕方ないらしい。やれやれ。
僕がそういう風潮には満身の抵抗を示すかというと、反感は持つものの適度に迎合してしまうんだねえ。
さて、
とある仕事を終えてからモーレツに忙しくなり、ネットで人に見せるための日記なんか書いていられなくなったのはいいことではないかと思うのだが、でもそうこうするうちに、日記の更新がないから心配してますとか言われる始末。
とりあえず何か書き込んでおく気になったのである。
そんな投げやりな態度でいいのかと問わないでほしい。
これまでもずっとそんな態度だったのだから。
新聞を見ると、
ナツメ先生が語っている。
キャットフードの袋を持って、おひとつどうぞと媚びを売っている。
ナツメ先生の時代にはキャットフードなんかなかったのだから、あれば自ら広告塔を買って出たはずだなんて誰が言えよう。私企業の広告に人格が利用されて売り上げ向上にひと役買うのを承諾することもありえるなんて誰が言える。
もちろん死者には言えるはずもない。
ヘップバーンが三井住友銀行のCMでローンの宣伝をする時代だ。CGで寅さんとか裕次郎の新作を作る話もあったなあ。
死者が発信したように偽装できる時代なのだ。日記の書き込みがなくてもご心配なく。