「ペイフォワード」観た

akrh2007-05-17

2000年制作。前世紀なんだなあ。
ラスベガスの、それも庶民を描いているという点がユニーク。砂漠の街の、空や遠景のコントラストが凄い。小学校の窓から見える山々や雲が、写真好きに「おっ」と言わせるに十分だ。
ケビン・スペイシーは相変わらずうまい。「シッピング・ニュース」でもそうだったが、傷ついて閉じた中年男を演じると抜群にうまい、と思う。
映画は、僕にとってでき過ぎ感が強い。中西部のメガチャーチ(巨大教会)あたりの推薦映画にはぴったりではないかと言ったら言い過ぎだろうか。社会の成り立ちは変えずに、人々の善意だけでみんなが幸福になっていける、その過程にはいろんな紆余曲折があっても、きっと善意は勝つ、のだろうか。
米国が、世界中に攻め込んで他国民に銃を向けることがなくなれば、この映画の説得力も少しはあることを認めるに、やぶさかではない。
つまり、それは永遠にやってこない、ということなのではないかな。
ペイ・イット・フォワード(次に渡せ)、このところの米国にとっての“イット”とは、銃弾のことなのであるから。