血だ

akrh2009-01-09

佐藤愛子『血脈』読了。
500ページを超すボリュームで3巻。
脱稿まで何十年もかかっているらしい。
佐藤愛子の父の壮年時代から始まって、つい最近まで、脈々と続く佐藤家の人々の物語。
すごい、と著者自身も何度も言っている。佐藤家のめちゃくちゃな人々。
男も女も破滅を地でいき、誰もかれもが野垂れ死に、接した者皆不幸にするという、血だ。
父・佐藤紅録(作家)も異母兄サトウハチロー(詩人)も、いいところもあるが本質的には完全に人格破綻者として描かれている。
この人、男の悪口を言わせたら当代一級という時代があったらしい。
自分自身も三人称で描いているが、そこはちょっと甘いかな。
しかし、1500ページ超を読み倒したという達成感は味わわせてもらったよ。