族長のハル

akrh2006-02-17

それでいよいよガルシア・マルケス、『族長の秋』に取りかかることを決意したわけである。
読み出してすぐ、ああこれは、娯楽ではなく文学なのだなあ、と思い知らされた。
1ページに、京極のおよそ2倍の文字量が詰め込まれている。銀色夏生なら3、4倍だ。章末まで一度も改行がないのは原文の持ち味なのだろうか。マルケスって比較的ゆったりした文章を書くと聞いたことがあるが。
訳は鼓直。一昨年だったかボルヘス会の発足総会というのに野谷文昭を目当てに出かけたら、一番上座に鎮座ましましていらっしゃった方だ。
ストレス回避の方法は娯楽に逃避するだけではない。苦行に逃避するという方法もあったのである。
頭脳へのシゴキなど、心的ストレスに比べれば何倍も快楽であるのだから。