訪れた国は40か国だが

akrh2009-08-01

また久しぶりに例の自分が訪れた国が何か国なのであり、地表の何%を占めているのかという不毛なサイトに行ってみる。
今のところ、40か国で、それは17%なのだという。
ブータンを足しても1%アップとは行かなかったのだ。
夏で、街の人出も少ないように感じる。
電車も心なしか空いている。
みんな旅にでも行ったのだろうか。いいね。

ほかに踊りを知らない。だと

akrh2009-07-31

川上弘美『ほかに踊りを知らない。』読む。
船戸与一川上弘美は、なぜか条件反射のように手に取ってしまい、思考停止してレジへと進んでしまう。
読むということもないようなつぶやき文、しかも小説でなく身辺雑記なので、サヴィンコフと併行してもOK。
学芸大学・流浪堂で購入。
この古書店、初めて立ち寄りましたが、まんまと見逃すような外角低めの変化球をビシッと決められて三振しても逆に敵ながら小気味いいような品揃え。
ところが、同じものがまたしてもAmazonで安く売られている。
Amazonは送料をとにかく340円徴収することを許しているので、本よりも送料が高くつく。
1円で売り出して、ヤマトのメール便80円で発送し、340−80=260円が非課税の収入となるカラクリなのだろうか。
学芸大学という町には、行きつけの「喫茶店」がある。
約20年前、原宿にあって行きつけだったのが当地に移ってきているのだが、今年に入って二十数年ぶりに復活したと思ってみてほしい。
それで週末ごとにしげく通っているというわけであった。
古本屋にも立ち寄っているのであった。
学芸大学駅に学芸大学も、隣の都立大学駅都立大学も、もはやない。
都立大学の存在そのものがすでにないのは、ホラー仕立てのようだ。
明大前で仕事をし、下北沢で呑み、学芸大学で珈琲を飲み、そして宿河原に住む。
ビミョーにバランスが悪い。
ちなみに明大前に明大はまだある。

宿河原の決闘

akrh2009-07-20

宿河原に住んでいるというと即座に「ああ、宿河原ですか。乞食坊主が激突したところでしょ」と言ったNさん、お元気ですか。
徒然草』の第115段に、「宿河原というところにて」という章があり、河原で無頼の乞食僧たちが念仏を唱えているところへ、師匠を殺された恨みを晴らさんとこれまたひとりの乞食僧が現れ、名乗りを上げて対決を乞い、決闘してひとりが死んだというのである。
このふたり、ぼろぼろの乞食僧がうじゃうじゃいるところで、血まみれでつかみ合いの決闘をしたに違いなく、このビジュアルは恐れを抱かせるに十分であるにせよ、宿河原と乞食僧を結びつけて引き出しにしまってあったNさんの知識には脱帽した。
徒然草の宿河原と現在のその地とがぴたりと一致するわけではなさそうだが、これで少しは愛着がわいたよ。
何せ、無頼の乞食坊主激闘の地である。
さて、
商売という商売が不調の宿河原だが、塾がまたこの度、夏休み突入とともに1軒店じまいしていた。
こんな町ですが、ブックカフェをどなたか1軒、オープンしてくださいませんでしょうか。
宜しくお願い申し上げます。

『テロリスト群像』遅々と読む

サヴィンコフ『テロリスト群像』(岩波現代文庫)をゆっくりゆっくり読んでいる。
学芸大学駅近くの古書店で上下巻1000円を衝動買いしてしまったあとで、アマゾンで二束三文で売られているのを発見すると地団太を踏む思いだ。
しかしねえ、テロへのこのなみなみならぬ情熱というのは、いったい……。
電話が大金持ちたちの間でようやく普及し始めた100年前のロシア。
鬱勃たる情念に突き動かされ、死を覚悟しながら、パリからペテルブルクまでを苦労しつつも縦横に行き来する亡霊のような人々の物語は、なかなか先へ読み進められない。
『小説 大逆事件』(文春文庫/佐木隆三)の醸し出す雰囲気と明らかに違うのは、大逆事件が冤罪であり、サヴィンコフが確信犯であるからだろう。
そこで、次のような一文に行き当たった。
「人々には欠点はなくまたあり得ないということを示している、と話した。」(p216、14行)
原文にあたることなく言いがかりをつけるなら、「人々に欠点がないなどということはあり得ない」ではないかという疑念を持つ。
前後の文脈が、自分たちの党派から分離独立していった人々にまつわる記述なので、その思いはよりつのる。
翻訳って難しい。原文を読んでもいない素人が言いがかりをつけてきたりもする。
何とも。

散歩写真家協会始めました

akrh2009-07-12

mixiに散歩写真家協会なるコミュニティを作って放置していて、管理人のくせに立ち寄りもしなかったことは反省している。
人生いろいろありまして。
懲りずにFacebookでも散歩写真家協会始めました。
http://www.facebook.com/にアクセスして、散歩写真家協会と検索すればたどりつけます。
活動は何もありません。
でも、そろそろ何か始めたいなあと思い始めたりしているのである。
それが散歩写真家協会で宜しいのかどうか、今はまだわからない。

見誤ること

akrh2009-04-10

マガジンラックを整理していたら、そういえばそんな時期もあったな、というような雑誌が出てきた。
ここまでいくと、誤報を表紙にしてしまったようなものなので言い訳はきかない。
ニューズウィークとしては、ヒラリー・クリントンが大統領になるという既定方針のもとに雑誌を作っていた。
しかし、オバマ候補の地滑り的勝利で、ほどなくオバマ大統領へ!と鞍替えする。
この一貫性のなさがむずがゆい。
ダイアナ妃が亡くなる前と後で、メディアがいとも簡単に豹変したときも同じものを見た気がしたが。
戒めるために、日記に表紙を掲げよう。

血だ

akrh2009-01-09

佐藤愛子『血脈』読了。
500ページを超すボリュームで3巻。
脱稿まで何十年もかかっているらしい。
佐藤愛子の父の壮年時代から始まって、つい最近まで、脈々と続く佐藤家の人々の物語。
すごい、と著者自身も何度も言っている。佐藤家のめちゃくちゃな人々。
男も女も破滅を地でいき、誰もかれもが野垂れ死に、接した者皆不幸にするという、血だ。
父・佐藤紅録(作家)も異母兄サトウハチロー(詩人)も、いいところもあるが本質的には完全に人格破綻者として描かれている。
この人、男の悪口を言わせたら当代一級という時代があったらしい。
自分自身も三人称で描いているが、そこはちょっと甘いかな。
しかし、1500ページ超を読み倒したという達成感は味わわせてもらったよ。