『蝦夷地別件』読了

akrh2007-03-18

長い物語も、いずれは読み終わる。それが車中の読書である。
山崎豊子の『華麗なる一族』も同じくブ厚い3巻ものだった。あちらにはそれなりにスタッフがいたといわれているが、船戸与一はこのスキのない物語をどう構成したというのか、本当に感服する。
だけど、日本の長篇書きの作家はおしなべて、ラストの落し前に苦慮しているように見える。
本書でも、広げ過ぎたふろしきを畳むテンポが早すぎるのではないかと思う。それなりに楽しいひとときを過ごさせてもらったのだから、そんなに大急ぎで終わろうとしなくても、と言ってやりたい気がするのである。
ラストの落し前をきっちりつけるテクニックを開発しよう。そうすれば、日本の青少年も、もう少し本を読むようになるんじゃないの。