「カポーティ」観た

akrh2006-11-18

恵比寿ガーデンシネマで「カポーティ」やっと観た。
チネチッタでは遅く始まったのにもう終わっていたのは、恵比寿の入りを見て納得。ガラガラなのだ。とほほ。
恵比寿にどうも馴染めないのは、ディズニーランドのように作り物っぽい街並のせい。確かに、カメラをもった老若男女があちらこちらに出没し、時間差で同じものを撮っては去る。
ノンフィクション・ノベルの草分けにして傑作となった『冷血』の初版の巻頭で、カポーティは恋人の男性にだけ謝辞を述べ、取材助手を務めたネル・ハーパー・リー(『アラバマ物語』でピューリッツァ−賞受賞)のクレジットを欠かして物議をかもしたと記憶しているが、実はネルの方がカポーティの俗物さに愛想をつかしたのだと推察できる(もちろんその後の版ではハーパー・リーのクレジットは入っている)。
きょうび米国映画はすべてダメかと思っていたが、なかなかどうして、良かった。
娯楽作は確かにダメだが、芸術作品はそれなりに底力を発揮しているのかも。
『冷血』はこの度、新訳が出ている。以前の日記〈http://d.hatena.ne.jp/akrh/20060529〉にも書いた「驚くべき提供」が新訳でどう訳されているかというと…、
「特価で提供」。
なるほど。