街道をゆきつ戻りつ

akrh2006-07-08

それで司馬遼太郎街道をゆく』の40巻め、「台湾紀行」を読んでいるわけである。
39巻めの「ニューヨーク散歩」のときに思った通りで、どうもこの人の手法が好きになれないのだが、どうすればいいでしょう。
無理に好きになる必要はないものの、書いてあることそのものより僕は手法のレベルに拘泥してクビをひねっているので、困るのである。
全編蘊蓄。リアルなシーンは三分の一にも満たない。
「○○を歩きながら××のことを考えた、そういえば△△は…」というふうに始まる蘊蓄だが、むろんそれは書斎や図書館で調べたことで、すべて本当に旅先で縦横無尽に思索をめぐらしたというのではないだろう。
それは創作であるから自由なのだが、創作の自由の前に僕の好き嫌いというものがありまして、どうも好きになれないのだよ。
だが、この台湾紀行だけは、何度挫けてもいいから最後まで一度はきちんと読もうと思う。いつも中華航空にばかり乗っている身としては。
街道をゆきつ戻りつ書斎旅
一句浮かんだが、無季語。