久しぶりに五木

akrh2006-06-15

ぱっとしないまま、もう6月か。
トルーマン・カポーティの『冷血』はやはり傑作だと思う。
長いのに過不足を感じさせず、テンポとリズムがあり、文体がしまっている。
電車の行き帰りやランチタイムにコーヒーを飲みながら読んでいると、そこはかとない喜びを感じた。
読み終えて淋しい気持ちになったのは、少し久しぶり。
続いて『青春の門 再起編』を見つけて読みはじめる。
とほほというほどセリフが陳腐なのに、冒頭から挫ける。
青春の門シリーズって高校生の頃それなりに熱中して読んだんだったが、こんなに陳腐なドラマだったっけとショックを受けた。
再起編は何十年ぶりかで五木が筆をとった続編だと思ったが、僕が変わったのか筆者が変わったのかしばらく混乱したよ。
本当に本人が書いているのであれば、老人が若者の会話をそれらしく書こうとして苦労しているのが如実に出ている。
慣れられるか、それとも途中で放り出すか、微妙である。