気になった字幕の記憶

akrh2005-11-25

田舎の中学生だったときに初めて見た映画は「遠すぎた橋」という戦争映画だった。
レッドフォードをはじめとする14大スター出演の超大作だったが、その駄作ぶりにはもちろん気づかなかった。子供なので。
男子というのは武器というものに執着する年頃というのがたいていある。
そのまま大人になる人もいるだろうが、僕も一応は卒業した。
だけどメタルや金属に対する執着は抜けきらず、カメラに向かってしまったようである。
FRPや樹脂でできたカメラになど魅力を感じず、古くさいシルバーのギラリと光るのが好みである。
さて、
この映画で初めて見たときから気になっていたセリフがある。
苦い紅茶なんかで私の気持ちが癒せると思うか、と問うた上官(ショーン・コネリー)に、部下は、
「無毒ですよ」と答えたのである。
会話が成立していないのではないか、というのは子供だけどわかった。
大人になってテレビで同じ映画を見たとき、同じセリフは、
「この紅茶は、甘いです」と訳されていて、僕は完全に納得がいった。
戦場でも砂糖入り紅茶を飲むイギリス将校であった。
珈琲に入れる砂糖を探していて、ふとそんなことを思い出した。