死者に喋らせろ

嗚呼、哀れなオードリー。 CMに「ローマの休日」が使われ、日本語の吹き替えで銀行の「指の静脈認証」や「ローン」の素晴らしさを喋らされている。 生きていたら絶対にOKしなかったと考えても間違っていないだろう。 かつてスティーブ・マックイーンが映…

例のコード

『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン)読み終わり。 たいへんに不評だった映画の方は、ブータンから帰ってくるときの台北-成田の機内でオンデマンドで見始めたはいいが、見始めたタイミングが悪く、なんと着陸までに見終えることができなかったという因…

謹賀新年。しかし人生が変わるわけではない

年が明けたといっても、年賀状も出さず、年頭の所信表明もない僕としては何ら、あらたまることはない。 1999年から2000年になるときには、何かたいへんなことが起こるという流言に乗せられて、まんまと旅を切り上げて帰ってきてしまった僕だが、そういうわけ…

「キング 罪の王」観た

よく観るね。風邪はなかなかなおらないというのに。 主演のガエル・ガルシア・ベルナルは、「アモーレス・ペロス」でファンになって以来、「モーターサイクル・ダイアリーズ」からはそれを通り越して、もはや尊敬している。 気持ち悪いキャラを演じさせれば…

スウェディッシュ・ジュース

IKEAでメシにしかお金を使わなかったのは本当だ。 家具屋で家具だけ買わなかったわけだけど、リンゴンベリージュースというスウェーデン飲料を買った。パッケージに惹かれて。 味は、まあ期待通りの容赦ない甘さで、あと味もばっちりクドい。 さて、 風邪が1…

メモリー・オブ・ゲイシャ

『メモリー・オブ・ゲイシャ』(アーサー・ゴールデン著)。 バンコクあたりのツーリスト向け古本屋ではこの本が何冊も並んでいる。アジアに来る欧米の旅行者が妄想を膨らませるのにひと役かっているのだろう。 邦題は『さゆり』。改題したのは、さすがに日本…

IKEAから返事が

前々回の当欄でIKEAに行ったと書いたが、送迎バスの客待ち中のアイドリングについて提案をしてあげたところ返事がきた。 まずは送信分、 「新横浜駅から往復する御社の送迎バスは、待機中もエンジンを常時かけっぱなしです。東京都などでは禁止されている行…

「カポーティ」観た

恵比寿ガーデンシネマで「カポーティ」やっと観た。 チネチッタでは遅く始まったのにもう終わっていたのは、恵比寿の入りを見て納得。ガラガラなのだ。とほほ。 恵比寿にどうも馴染めないのは、ディズニーランドのように作り物っぽい街並のせい。確かに、カ…

北欧の超克

北欧の家具屋IKEAが横浜郊外に店を出したというので行く。 行きつけの居酒屋にまでカタログが届き、客同士で見ては、すげえ、と感心しあってしまい、100円ショップにでも出かける感覚になってしまったのだった。 ところが、可もなく不可もなくというか、買い…

新しいモノを新しさが薄れた頃に買います

買っちゃったよ。 ここ十年、いつもこれだ。 新品ですけど、気分は新古ぐらいで。

ブータンで何か考えたか

ブータンから帰って2週間。 写真など見ながらブータンのことを思い起こす夜もある。 まったくのオフに自腹でこんなにお金がかかる国(法定で1日200ドルかかる)を旅することになったのは、やはり興味があるからだ。一度行っておけば、幻想ももたずにすむ。無責…

柴田元幸はすごい

『ムーン・パレス』(ポール・オースター)をまだ読んでいるわけであるが、訳者の柴田元幸という人はすごい人だ。 文中に、「清水の舞台から飛び下りるつもりで」という訳を見たときに、僕はそう思った。 翻訳の授業では、日本の格言やことわざを訳文に紛れ込…

世界史を教えない時代のナショナリズム

したがって世界は無知による傲慢に満ちていく。 少しでも他者を知ることがあれば、人は謙虚になるものではないのだろうか。 それが、受験に不要だから世界史はいらない、とは。 巷では、会社でも社会でも学校でも、大人のカッコ悪さが目立つ。 子供のため、…

久々に風邪ひき

かつては10年間一度も(二日酔い以外で)寝込まなかった僕ではあるが、また風邪。 地下鉄の車中かどこかでウイルスをもらったらしい。 本当に久々に酒を抜くことになっただけでなく、めし喰わず。 休肝も絶食もこんなときでないと絶対にしないので、考えように…

ブータンに行きました

このところ行き慣れた国にばかり行っていたが、久々に知らない国を訪れた。 インドとチベットの間の、そう、あそこです。

悪訳紹介

デヴィッド・フィッシャー著『証拠は語る FBI犯罪科学研究所のすべて』を読んでいるが、苦戦中。 訳が悪いと思う。 赤ん坊が薬物を盛られた捜査で義母と看護婦が疑われていながら、最後に「この女から赤ん坊を引き離し」などという表現が出てくると、わかっ…

米国牛

かつてケネディ大統領は食品の要件として、以下の4つを大統領教書で打ち出した。 1.安全 2.おいしい 3.適正な価格 4.ごまかしがない この度不完全な検査を経て押し付けられる米国牛はこのうち2つを満たしていない。 米国では狂牛病はアルツハイマー…

スペインラテンアメリカ映画祭

今年も観た。 http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/ 「Drama/Mex」「マデイヌサ」「ボディーガード」の3本。 制作はメキシコ、ペルー、アルゼンチンの順。 起爆力からいうと「マデイヌサ」がいちばん。 ペルーらしいブラックさがこってりとした佳作だっ…

ウロコ雲とイワシ雲の違いは何か

空を見上げて、ウロコ雲とイワシ雲の違いは何だろうと思ってみる。 それほど見事な秋空で、皆さん空にケータイやらデジカメやら一眼レフやらを向けている。 これに夕映えでアタックをかければ無敵である。 空だけで写真集ができるのもうなずける。 空だけは…

秋の入口に

うかっとしているうちに、このままでは秋が来てしまう。 秋はいつも着るものがなくなるのでさもしいのだ。 そう去年も本欄で言っていたのを発見し、相変わらずの進歩のなさに凹む。 進歩がないと、この日記でも何度言ったことか。 やれやれ。 さて、 武蔵溝…

こんな本を読んできた

大したものは読んでいないのですよ。 川上弘美『龍宮』、李志綏『毛沢東の私生活』、藤沢周平『麦屋町昼下がり』とかね。 その他に漫画ですけど、つげ義春『無能の人』とか。 しかしやはり、『毛沢東の私生活』がすごい。 とにかく、この人の権力欲のために…

文芸のお仕事

クラフト・エヴィング商會、吉田篤弘さんの小説『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を編集。 今朝の「王様のブランチ」、哲ちゃんのブックナビで紹介されたので見る。 エディトリアルとライティングは使う筋肉も脳も違う。 だから両立するかとい…

「太陽」観た

川崎のチネチッタで「太陽」観た。 僕はソクーロフの映画で傑作と思ったものがない。 今回はセンシティブな作りではあったものの、日本人が観て素晴らしいと思えるものではないような。公開前に一水会の鈴木邦男には見せてOKをもらったらしいけど。 もう少…

gatitaへ

『キューバを知るための52章』で音楽の章を担当して頂いた長嶺さんが、西荻にバーを開いたので、友人連中と行く。 開いたのはパートナーの萩原さんらしい。 暗くて黒っぽいところかと思ったら、明るくて白っぽい店だった。 店構えにけちけちしたところがなく…

カネヨの箱

このパッケージを作った人はすごい。 現役であり続けるためにはそれ自身変化し続けなければならないとピカソが言ったらしいが、ときどき変わること自体を頑として拒むヒト・モノ・コトがある。 変えられるのに変えないのもチョイスのひとつで、ひょいひょい…

絶滅を危惧するほどのことではない

また短い旅に出て、戻った。 巷では夏休みが始まった頃合いだと思うが、どうもバックパッカーというのは絶滅危惧種なのかもしれない、と思ったり。 高円寺あたりの風呂なしアパートに住んでいるのが老ヒッピーで、学生はワンルームマンションにいるのと同じ…

織田が椿三十郎か/椿三十郎を織田か。

新聞で角川(ハルキ)映画のリメイク話しを読んでガクッときているよ。 織田はまったく嫌いというわけではないが、出演作はすべてB級大作である。 「踊る大走査線 レインボーブリッジを封鎖せよ」みたいな映画になった椿三十郎は見たくないのである。 というわ…

街道をゆきつ戻りつ

それで司馬遼太郎『街道をゆく』の40巻め、「台湾紀行」を読んでいるわけである。 39巻めの「ニューヨーク散歩」のときに思った通りで、どうもこの人の手法が好きになれないのだが、どうすればいいでしょう。 無理に好きになる必要はないものの、書いてある…

どうですか。みのさん

報道ステーションにみのもんたがゲストで出ていた。 みのもんたの日テレの番組に古館伊知郎がゲストに出たお返しらしいが、もうここまでくると情報バラエティとニュースショーの融合というか、溶解して新ジャンル創設というか、小気味良いほどだ。 テポドン…

蒸し暑さに罪はない

いや、『青春の門 再起篇』投げ出さず。 投げ出すまでもなく、電車の行き帰り程度で読み終わってしまったのだ。 「うん」とか「え?」とか、カギカッコ込み4字で終わる行の何と多いことか。 短い、意味のないセリフの多用でどんどんページが過ぎていく。 むろ…